歌声

ただの刹那に変わった二人。

 

君がまた歌を歌い始めた、らしい。

 

見に行くことだって出来たね。

二人とも同じ街にいたんだねえ。

 

そうして、君と天秤にかけて選んだ人は

明日またCDを出す。

 

何が正解かなんて分からないし

成功かなんかも全然分からない。

 

だってさあ、君と付き合えていたとして

まず二人とも生きていたか分からないし

あとずっと仲良くは出来なかったと思うの。

現実世界はお互い違うところにいて

だからこそ夢を見続けられて

そうやって君を夢みたいに神様みたいに

まだ、信じている。

 

聴いたよ、君の歌う声。

甘い声ね、日本語だとさらに甘いねえ。

あざといね、大好きだよ。

苦しそうに、と言うか多分苦しくて、

でも歌を歌うなんてさあ、

それを赦す女は私だけが良かったな。

なんてね、おめでとう、いつか見に行くね。

君の歌声はあの部屋で二人で遊んでた時の

吐息と同じ音がするから、私だけのものに、

なればよかったのに。

 

私が選んで一緒にいる人は

かっこいい楽器を弾いて

かっこいいライブをして

クールで優しくてあったかくて

私のことをずっと好きでいてくれる人。

あと、絶対的な絶望を経験した事がなくて

普遍的な死に対する憧れ、みたいのがない。

正論と常識で生きている、

正しくて健やかな人。

一緒にいてもう10年くらい経つけれど

毎日毎日好きになっていくし

これからも彼と死ぬまで一緒にいたい。

楽しいし、夢をみている。

彼は最高のバンドマンだ。

生きていくしかないので私は彼と生きていくし

もし君が死にたくなったら殺しに来て欲しい。

 

もし私が仮に1人で死んじゃったらさ

二人で私を愛してね。

犬と猫達は彼に育てて貰って

お守りみたいにつけてる飾りは君に。

私は君達二人が私のそばにいる

って信じて20代を生きてしまっているから

今更変えられないんだ、ごめんね。

 

なんでこんな事書いているって

今日も明日も夜中までスタジオで

休みの日に一歩も家から出ずに

ああ、もう死んじゃうかはちゃめちゃに抱かれたい

って思っているから。

 

うぉーあいにー

あいあいまー。